ぎっくり腰と慢性腰痛の違い

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慢性腰痛が改善しにくいことへの一般的な考え方

「ぎっくり腰は意外に早期改善ができるのに、慢性腰痛はなぜなかなか治りきらないのか」ということを疑問に思われる方は少なくないでしょう。

慢性腰痛をお持ちの方がぎっくり腰になった際も、普段の痛み程度までの改善ならそれほど長期を要すものではありません。


でも、そこから先の改善は少し時間がかかるか、場合によっては少し改善してまた悪化してを繰り返すこともあります。

その理由は、「体にとってそのバランスが普通になっているから」だと考えている施術者が多いようです。

当院でも同じように考えていたのですが、実際には全く違うことが理由でした。

慢性腰痛とぎっくり腰の原因の違い

まずぎっくり腰ですが、当整骨院では「内臓の疲労」が主な要因だと考えています。

もちろん発症時には関節や骨格の可動性の低下もおきていますが、それも内臓の疲労が引き起こしています。

ですから、内臓の疲労へのケアさえ行えば、ぎっくり腰の改善に骨格の調整などはあまり必要ありません。

また「内臓の疲労」についても、単に疲労しただけでなく、「急激に疲労が増した時」にぎっくり腰が発症するのではないかと考えています。

ぎっくり腰がケアしなくても2週間程度で勝手に回復していくのもこのためです。

対して慢性の腰痛では、「慢性的な臓器の疲労」と「ケアしないと回復しない骨格・関節の不具合」が原因だと考えられます。

慢性的な臓器の疲労

当整骨院では内臓の疲労に対して、お灸をすることが多いのですが、慢性の疲労に対しては「一時的な効果しか期待できない」ケースが多いと感じています。

慢性腰痛と内臓疲労が関わっている場合なら、お灸することで必ず成果は得ることができます。

しかし、数日経てばまたもとの状態に戻ってしまいます。

それがなぜかというと、体がうまく休息できなくなっているため、日常生活でまたすぐに疲れてしまうからです。

緊張状態になっている・交感神経が優位になっている・自然治癒力の働きが低下している、といったように言われる体調です。

ですからこの体調に対しては、ぐっすり眠れて疲れを自分で回復させられる体にしていく必要があります。

当院ではこのケアについては「頭蓋骨の調整」により行っていますが、緊張が長期間かかって高まってきているので、一気に理想的な状態にまで心身をリラックスさせることは困難なようです。

また人により、「生活習慣が体に合っていない」ことで慢性疲労がおきていることもあります。

この場合には、食べ過ぎや過活動など不適切な習慣を改善する必要がありますが、習慣が精神面と関わっていることもあり、習慣を変えられないケースが多いようです。

ケアしないと回復しない骨格・関節の不具合

慢性腰痛にとても大きく関わっているのが、自然治癒しない「関節や骨格の問題」です。

ただし、この問題は多くの場合、背骨や骨盤以外の場所において重要になっています。

背骨や骨盤の構造というのは、もともと自由度がかなり大きく、その自由度を使って体中の歪みにうまく適応しています。

一見うまく動いていない背骨でも、周りの状況が変化すればすぐに適切な状態に戻れる回復力があります。

それと比べて、一度状態が悪くなると、ケアしないかぎり回復するきっかけがほとんどない場所があります。

それは「肘~手の指先」と「膝~足の指先」です。

手や足に痛みを感じていない人でも、この場所に何らかの制限のあることはとても多いのです。

どこかに痛みのある人で、両手と両足のどこにも制限のないという人は施術前の段階だとほとんどいないくらいです。

子供のころから今までに起きた軽い捻挫や打撲でも、何かしらの制限となって残っているのです。

手の場合は特に鎖骨や首の骨(頸椎)に、足の場合は、骨盤や腰の骨(腰椎)に大きな影響を持っています。

これらの場所へのケアがなされれば、その後再度痛てしまうことがなければもう必要はなく、ずっといい状態が維持されます。

そして頑固だった慢性症状が嘘のように改善してしまうことも珍しくありません。

痛みと脳の関係

最近の研究では、痛みと脳の機能低下の関連があることも分かって来ています。

慢性的な腰痛の場合、ストレスによる「側坐核」という脳の部位の機能低下がその原因になっているというものです。


側坐核の働きのなかで、「全身から送られてくる情報のうち、継続している痛みのッ情報を遮断して感じにくくする」という仕組みが血流の不足により働かなくなるようです。

この仕組みが働かなくなると、脳が既に認識している痛みを感じ続けることになります。

つまり、慢性的な腰痛が治らないということです。

この側坐核の血流低下はストレスにより引き起こされるようなので、ストレスケアが大きな効果を発揮すると言えそうです。


ぎっくり腰の場合、感じ始めたばかりの痛みですから、この側坐核の働きとは関係はありません。

ということで、脳の機能とストレスとの関連性を考えても、ぎっくり腰の方が治しやすいと言えそうです。

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