膝の痛み・膝関節症は足首のケアも大切
ページ内の目次
- 膝の痛みの原因は何?
- 膝の痛みへの対処法
- 膝の痛みの予防法
- ランニングと膝の痛み
- 膝関節症への当整骨院の施術
- 膝関節症への病院の治療法
- 膝の痛みについてのよくある質問(Q&A)
- 膝の捻挫・ぎっくり膝について
膝の痛みの原因って?
膝の痛みには、大きく分けて3つの種類があります。
- 体重をかけているときに起こる痛み
- 体重をかけていない状態、例えば就寝中に起こる痛み
- 膝を大きく曲げたときに起こる痛み(正座できないなど)
痛みのでる状況が全く違うので、原因も当然違うということになります。
体重をかけているときに起こる痛みについて
体重をかけている状態ででる痛みは膝の関節がうまく噛み合っていないことが原因です。
関節がうまく噛み合わないのは、
- 関節周辺の筋肉のバランスが崩れている
- 昔のケガや打撲・捻挫などで、足の「骨自体」に不調がある
などが理由です
各々の筋肉が適正に関節をひっぱっていればいいのですが、ゆるんで引っ張っていない筋肉があったり、逆に緊張が強くて引っ張りすぎる筋肉があると、噛み合うはずの上下の骨の位置関係がずれてしまうのです。
筋肉のバランスが崩れる理由は2つあり、「歩幅の減少」と「内臓の疲労や不調」です。
誰でも年齢とともに歩幅が短くなってきます。
すると、太ももの後ろ側の筋肉や、ふくらはぎの筋肉があまり使われなくなります。
足の前側の筋肉には変わらず負担があるので、徐々にバランスが悪くなってきます。
これが痛みの出やすい原因になります。
また筋肉の働きは内臓の元気よさと大きな関連があるので、特定の臓器の調子が悪くなったり疲労することが筋肉のバランスを崩すことになります。
「骨自体」の不調というのは、かつて骨にかかった衝撃や過剰な圧力、捻る力などで骨の弾力が失われ、ほんの少しですが硬くなりすぎることです。
骨に本来ある「しなやかさ」「柔軟さ」が失われると関節に過剰な負担がかかり、関節が壊れる原因になります。
骨の問題は受傷後ずっと気がつかないまま残ることも多く、その問題がある程度の年齢になった時にはじめて、関節の痛みを引き起こします。
骨が硬くなりすぎることについては、整形外科や通常の整体ではまったく認知されておらず、そのことが膝関節症への治療効果を一時的・限定的なものにしています。
体重をかけていないときの痛み、うずきについて
例えば寝ているときに膝が痛いというケースはよくあります。
このケースの原因は主に、足のどこかの筋肉が過緊張の状態になっていることです。
この筋肉の過緊張は、関係する臓器の疲労や不調と大きく関わっています。
たとえば夜間のこむら返りには、胃や肝臓の不調が隠れているようです。
また、体液循環の不足も原因になります。
体液の中で最も停滞しやすいのはリンパの流れです。
リンパの流れに大きな関わりを持っているのは、「呼吸の際の胸の動き」です。
じっとしているとき、筋肉の動きでリンパを流すことができないので、誰でもリンパは滞りやすくなります。
それでも、呼吸が深ければ、膨らんでしぼむという胸の動きも大きく、そのポンプ作用でリンパの流れは維持されます。
呼吸が浅いとポンプ作用が弱くなり、全身のリンパは流れにくくなります。
その際、他の関節よりも膝のリンパの流れが悪ければ、そこで大きく停滞し、痛みやうずきがでてしまいます。
他の要因としては、脊椎などでの神経の圧迫の場合もあると考えられます。
膝を深く曲げるときにでる痛みについて
この痛みの原因は体重をかけているときに起こる痛みの原因と少し似ています。
何が似ているかというと、筋肉のバランスが崩れていることや骨自体の不調があることです。
ですから、両方の症状をお持ちの方も少なくありません。
違うところは、膝関節の「滑り運動」に関わる場所の骨や筋肉のバランスが悪いというところです。
膝関節は曲がっていく最初のうちは、転がり運動といってドアが開け閉めするような運動で曲げられていきます。
しかし曲げる角度が深くなると、すべり運動といって太ももの骨とすねの骨の位置関係がずれるような運動も加わって曲げられていきます。
この際、すべり運動に関わる場所の骨が不調だったり筋肉のバランスが崩れていると痛みが出てしまうのです、
ですからこの痛みを解消するには、膝を曲げていく過程に関わる骨の不調を解消し、筋肉バランスをとればいいということになります。
膝の痛みへの対処法
膝が痛くなったとき、悪化しないようにうまく対処しましょう。できれば、整骨院などで早めにケアをうけてください。
痛いときは無理に歩かない
膝に痛みが出ているときは、膝関節がうまく噛み合わずむりな荷重がかかってしまっています。
その状態でむりに歩く事は関節内の軟骨(半月版)をすり減らす事になります。
しかしずっと歩かないでいると筋肉が弱り、逆に治りにくい状況になってしまうこともあります。
ですから、テーピングを貼ったりサポーターをはいたりして、もしくはケアを受けて痛みをできるだけ少ない状態にしてから歩くようにしましょう。
ただし、サポーターは長期間の使用で逆に筋力を弱くする要素もあるので、痛みが無くなったらはずしておきましょう。
脹れのあるときはアイシングしましょう
膝が脹れているときは炎症がおきています。炎症を長引かせると周辺組織が癒着したり固くなってしまったりします。
ですからできるだけ熱をとって不必要な変化が起こらないようにしないといけません。この際、シップでは効果がたりません。
特に炎症の強いときにシップを貼ると、逆に熱がこもった様になってしまいます。
そんな時はまず5分~10分アイシングして熱を大きく下げてからシップするようにしましょう。
膝の角度を変えずに膝の運動をしましょう。
痛みがあるときは歩く事が関節をすり減らしていくことにつながります。
しかし、膝周辺の筋肉に負荷をかけて使わないと、当然足の筋力は落ちてしまいますし、さらには関節内のすべりを良くしている粘液(滑液)の分泌が減ってしまいます。
ですから強い炎症が収まってきたら、あまり関節の角度を変えずに筋肉にだけ負荷をかける、いわゆる等尺性収縮を筋肉にさせるようにします。
たとえば、1、膝と膝を少し曲げた状態でくっつけて、お互いを内側に押し付ける運動
2、膝を少し曲げた状態でしばらく立ったままにして、太ももを鍛える運動
3、寝た状態でかかとで地面を押す運動
といった、足の格好は変わっていないけど力は入れるという運動をしましょう。膝の痛みの予防法
上手く予防をして、あまり悪化させないようにしましょう。足首を柔軟にしておきましょう
膝と足首の間をつないでいる骨は2本あります。
この2本の骨(脛骨・腓骨)が互い違いによく動くようにしておくことが膝の痛みの予防にとても役立ちます。
2本の骨が平行しているところというのは、手の肘から先と足の膝から下だけですが、この構造は互い違いの動きが悪くなることがしばしばおきるようなのです。
足の場合は、腓骨が脛骨に対して下に行き過ぎることがよくあります。
そうならないようにするには、かかと周辺を手で持って、小指側を膝方向へひねるストレッチをしておくと大きな効果があります。
足首の捻挫のあとは一度ケアを受けましょう
膝の痛みの原因としてとても多いのは、足首の状態が悪いことです。
昔捻挫をしたなどのダメージがそのまま残っているのです。
捻挫の後、痛みは取れても関節としての機能が完全には戻っていないのです。
ですから、捻挫の経験がある人や、新しく捻挫をしたあとは一度ケアを受けるのをおススメします。
親指の根元で地面を蹴って歩きましょう。
膝の痛い人のふくらはぎをみると、親指側の筋肉があまり使われないために痩せていることがよくあります。
これは地面を蹴るときに、親指側ではなく小指側でけっていることが原因です。
足は親指側で蹴る設計になっているので、小指側で蹴っている人が長時間の歩行を繰り返すと、疲労骨折が起きることもあます。
それは小指の根元の骨(中足骨)が親指側よりもとても細く、負荷に弱いからです。
ふくらはぎの内側と外側の筋力バランスが悪いと膝の痛みにつながります。
ですから、膝のためでも親指側で蹴るようにしましょう。
たまに大股で歩きましょう
だれでも年齢とともに歩幅がせまくなってきます。
歩幅が狭くなると、歩いていてもあまり活発に働かない筋肉もでてきます。
すると良く働いて筋力が保たれている筋肉と、あまり働かず筋力の落ちてきた筋肉との筋力バランスが悪くなってしまいます。
それを予防するためには、気がついたときだけでも大股で歩いて普段あまり使っていない筋肉も使って筋力があまり落ちないようにします。
これをやっておくと、足のつま先が上がっていないことでおきる「地面につま先が引っ掛かってつまずく」ことも予防できます。
股に電話帳を挟んで顔を洗いましょう
膝の痛くなった人には、膝と膝を近づける筋肉、つまり股を締める筋肉が弱っていることがよくあります。
この筋肉が弱るといわゆるO脚にもなりやすくなります。
ですからこの筋肉を鍛えればいいのですが、わざわざ鍛えるのは面倒ですし、忘れてしまうこともよくあります。
ですから、顔を洗うときに電話帳を股に挟む習慣をつけるととても楽に対策がとれます。
電話帳はすべすべしているので、挟み方が弱いと滑り落ちてしまいます。ですからちょうどいいのです。
ランニングと膝の痛み
健康志向の高まりもあって、ランニングやマラソンをしている方はとても多くなっています。
普通に歩いているだけでも膝が痛くなる方が少なくないのですから、さらに負担をかければ、ランニングによって膝に痛みがでてくる場合があるのは当然です。
痛みがでてくる要因は大別して4つあります。
- 走り始めたばかりの初心者におこる筋力不足によるもの
- 疲労の残った状態で走ることによるもの
- 筋力バランスが崩れた状態で走ることによるもの
- ケガの後遺症
筋力不足による痛み
ランニングにかぎらず、あまりやっていなかった運動や動作を始めたときには、その動きに対して筋力や筋持久力が足りないことがよくあります。
その状態で運動を続けることは、筋肉などの軟部組織にとっても半月板を含めた骨格にとっても障害の起こる原因となります。
特に半月板や靭帯の損傷では、痛みが長期間継続することもありますので、焦らずゆっくりと運動に体を慣らしていきましょう。
疲労による痛みの出現
筋肉が疲労していると、通常より筋緊張が増し弾力性が落ちた状態になります。
また筋緊張のおこりやすさは各筋肉によって違うため、筋力バランスは乱れます。
緊張が強く出やすいのは、ランニングの際に負担の大きい筋肉です。
足の筋肉はたくさんありますが、ランニングの際、全部の筋肉が均等に使われているわけではありません。
太ももでは前側の方に後ろ側より大きな負担がかかっていますし、膝から足首までの筋肉では後ろ側の方の筋肉が前側よりもよく働いています。
そういった理由で、筋肉の緊張も太ももの前側とふくらはぎが緊張が起こりやすい筋肉と言うことになります。
筋緊張が残っている状態でランニングすることは、バランスが崩れた状態でランニングすることと同じですので、どうしても痛みが出やすくなってしまいます。
筋肉の緊張を強く感じるときは、あまり無理しないようにしましょう。
筋力バランスの乱れによる痛み(ランナー膝)
筋疲労がなくても筋力バランスが乱れていることは良くあります。
典型的なのは腸脛靭帯が痛くなる、いわゆる「ランナー膝」です。
ランナー膝は膝関節の外側に痛みがでる症状をいいますが、内側に症状がでることの方がむしろ多いかもしれません。
ランナー膝の場合、お尻の筋肉や足の外側の筋肉(大腿筋膜腸筋)が緊張しすぎてしまうことで痛みがでます。
この過緊張は、足の内側と外側の筋肉のバランスが崩れることでおきてきます。
筋肉は拮抗した状態で働いていて、お互いの筋肉が緊張しすぎることがないようにうまく抑制しあっているのです。
ところが筋肉のバランスが崩れることで、そのシステムがうまく働かなくなります。
そしてこのバランスの崩れは、実は内臓のバランスの崩れからおきてきます。
各々の筋肉は関係の深い臓器をもっています。ですから関係の深い臓器が疲れたり不調になると働きが落ちてしまいます。
胃の調子の良くない人に膝の痛みが出やすいのはこういった理由によります。
いつも同じメニューで走っているのに、なぜか最近膝の調子が悪いというような時は、どこかの内臓の不調が膝の調子を悪くしていることが考えられます。
しばらくの間よく休むようにし、食事の量も若干減らしてみましょう。
ケガの後遺症
特に足首に多いのですが、打撲や捻挫の後に関節の機能が完全に回復しておらず、そのことが痛みの原因になることがよくあります。
構造の簡単な膝と違い、足首を検査・施術できる施術者が少ないので、いつもケアしてもらっている人でも足首の不調が見逃されていることがよくあります。
なかなか痛みが改善しないときには、足首の施術を得意としているところで一度見てもらいましょう。
当整骨院の膝の痛みへの施術法
適切に施術していけば、膝の痛みは速やかに改善されていきます。
当整骨院では- 骨自体の不調へのアプローチ
- 関節周辺の筋肉のアンバランスの改善
- 関節に生じている不具合を解消
といった内容を中心に施術を行います。
特に重要視しているのは、「骨自体」の不調へのアプローチです。
なぜかというと、この不調が残されると、他のどんなに効果的な施術をしてもまたすぐに再発してしまうことが多いからです。
また、「骨自体」へのアプローチは回復のスピードをとても早くします。
一回の施術で痛みが半分以下になることも珍しくありません。
骨自体の問題がある程度解消されれば、再発しても強い痛みがでることはほとんどないようです。
膝関節症への病院の治療法
整骨院ではできない治療法も、病院やクリニックの整形外科にはいろいろとあります。
どんな時には整形外科に行くべきなのか、あるいは整骨院でもいい時はどんな時なのか考えてみましょう。
整形外科ではまず、問診したあと
レントゲンを撮る
というところから全ては始まります。
膝関節の状態を一度画像で確認しておくことはとても大切なことです。大きな問題が起きていないとわかれば、ゆっくり対策を考えていけばいいのです。
この段階でほとんどの方は
「半月版(軟骨)が減っています」あるいは「炎症しています」
という結果を聞く事になります。
でもこの診断結果は悲観するようなことではありません。
膝の痛みは慢性関節リウマチなど他の疾患から引き起こされている場合もあります。
そういったケースと比べれば
「年齢的な変化が起こっています。異常有りません。」
と言われたにも等しいと思われます。
だれでもそれなりの年齢になれば少しくらい軟骨が減っているものです。
次に
注射かシップで対応する
ということになることが多いようです。
注射の目的には大きく分けると二つあり、
1つはステロイドなどの薬剤で炎症を止めること、もう1つはヒアルロン酸などで関節内のすべりをよくすることです。
これらとは別に、関節内に水がたまっている場合などは、それらを注射で抜き取る操作を行うこともあります。
これら注射での対応が必要でない場合には、単純にシップを手渡して終わりという対応になるようです。
この段階で施術が奏功して治癒に向かう場合とそうでない場合があります。
うまくいかなかった場合、少し特殊な対応を取り入れているところでは足に合った靴を作ったり、オーダーメイドに近いコルセットを使ってみることもあるようです。
さらにそれらの対策でもうまく治っていかない場合、症状が長期に及ぶケースでは
手術する
という結末も意外に少なくないのが膝関節の難しさを表しているのかもしれません。
それでも今の手術は非常に良くなっているので、あまりにも痛いのを我慢するよりもずっと楽になると思われます。
膝の痛みでのよくある質問(Q&A)
当整骨院で聞かれることの多い質問をまとめています。コルセットやサポーターはつけたほうがいいのですか?
痛みが強いときはしたほうがいいでしょう。
また膝に不安がある時は、痛みが無くてもこれからハードに膝関節を使うという時にはしておいたほうがいいでしょう。
ただ、サポートすればするほど筋力は落ちやすくなります。状態のいいときにはしないほうがいいと思われます。
関節に溜まった水を何度も抜くとくせになるのですか?
水を抜く事で却って水が溜まりやすくなるということはありません。
水が溜まるのは炎症が消えていないからであって、他のどんな理由でもありません。
ただ、炎症をとめる対策をしていないのに水だけ抜いてもあまり意味がありません。
炎症が起こる原因を無くしてしまうと、水を抜かなくても勝手に減って行きます。
炎症が起こる原因を考えましょう。
冷やせばいいのですか?それとも温めればいいのですか?
炎症がきつくて関節が熱くなっている場合は、冷やさないといけません。
冷やすのはできるだけ炎症を抑えるためです。
逆に温めたほうがいい場合は、炎症がなくなっていて血行を良くしたいときです。
膝は傷ついているわけですから修復する必要があります。
その際膝が温かいほうが当然血行も良いわけです。
ですから、炎症が治まっているときは温めて、血行をよくしましょう。
ちなみに、膝関節をたくさん使った後、長距離あるいたり運動した後はだれでも炎症が起こりやすくなります。
膝の調子が良くないなら、冷やすほうが妥当でしょう。
膝の捻挫・ぎっくり膝について
階段を下りているときや、普通に歩いているときに、
「あたっ!!」
と痛めてしまう時があります。
ぎっくり腰の膝バージョンのような痛め方ですが、膝の捻挫によくあるパターンです。
他には、足首の捻挫の際に捻る度合いが大きくて膝まで痛めてしまうことがあります。
普通に歩いたりしているときに痛めるケースでは、原因は概ね「どこかの内臓の疲労」です。
特に多いのは「胃の疲労」によるもので、胃の不調の自覚がない場合もよくあります。
原因が内臓疲労である場合、捻挫へのケアとしても内臓へのアプローチがとても有効です。
加えて痛めた際の膝関節の骨格的ダメージもうまく解消することでとてもスムーズに痛みを減らしていくことができます。
足首の捻挫の際に膝も捻挫した場合は、当然足首と膝の両関節を同時にケアしていくことになります。
膝に痛みがある場合でも、足首の損傷の方がより大きい場合が多いので、足首のケアがより大切になります。
膝関節は足首の関節に比べて構造がシンプルなので、この部位への施術はそれほど難しくはありませんが、壊れてしまいやすい「半月板」という構造が膝にはあるので、一度痛めると完全には回復させられない場合もまれにあります。