ぎっくり腰におけるQ&A
ここでは、利用者さんから聞かれることの多い質問をまとめてみました。
ページ内の目次Q ぎっくり腰はくせになりますか?
A
ぎっくり腰のように大きな痛みがでるとき、筋力のバランスはとても悪くなっています。ですから、筋肉によって動かされている骨格・関節にも非常に大きなアンバランスな力が加わっています。
痛めた際、若干の関節の機能低下が起こるようです。
関節の機能低下は特に珍しい現象ではなく、足首の捻挫の際などにも起きています。
捻挫の痛みがなくなった後も関節の機能が完全には回復しない場合も多く、再度の捻挫を起こしやすくなったり、後々膝の痛みの原因になったりします。
背骨と背骨の間の関節「椎間関節」が機能低下を起こすと背骨全体の柔軟性が低下します。
背骨全体の柔軟性が低下すると、体調の変化への適応力が低下し、それほど大きくない筋肉のバランスの乱れでもぎっくり腰になりやすくなります。
これがくせになっている状態の一つ要因だと考えられます。
もう一つの要因は、背中の筋肉がうまく使えていないためにぎっくり腰になりやすくなっているものです。
痛くなるのは腰ですが、そんなときには背中をそらす動き、姿勢を正す動きを担う「広背筋」がうまく働いていないため、腰に大きな負担が集中していることがよくあります。
広背筋はすい臓とのかかわりの大きい筋肉ですが、この筋肉の働きが十分でないと、いわゆる「猫背」になります。
この姿勢で生活すると背骨の中で腰部に負担が集中してしまうため、ぎっくり腰が起こりやすくなります。
人は30代半ばくらいから徐々に体が衰えていくので、内臓ももちろん衰えていき、猫背になりやすくなっていきます。
少しずつ進行してきた姿勢の変化が、どこかの時点でぎっくり腰を招いている可能性があります。
逆に普段から歌舞伎役者やバレイダンサーのように背筋をのばしていると、腰の負担は激減します。
試しに背筋を伸ばしたまま「かがんで」する仕事をやってみると、腰がとても楽なのがわかると思います。
姿勢を正すことは慣れるまでは背中がしんどいですが、慣れると逆に猫背を続けることがうっとおしく感じるようになります。
姿勢のよさは脳にも良い影響があるので、ぜひ意識して正すようにしましょう。
他にはくせと言えるかどうかわかりませんが、同じ季節に毎年のようにぎっくり腰になる人もいます。
季節によって負担のかかる臓器が決まっているのですが、例えば季節の変わり目は胃やすい臓が疲れやすい時期です。
生まれつき胃やすい臓が他の臓器より弱いバランスの人は、季節の変わり目がぎっくり腰リスクの高い時期になりまます。
どんな人にも苦手な季節は程度の差はあれあるものですが、ご自分の発症しやすい季節は特に、生活習慣に気をつけましょう。
Q さらしやコルセットは、痛みが無くなってからもしておくべきですか?
A
必要ないと思われますが、またぎっくり腰の起こりそうな感触があるならしておくといいでしょう。
ただ、身体は不必要な機能をどんどん放棄していくようになっていますので、筋肉をサポートしすぎると返って筋力が衰えてしまいます。回復したらあまり頼らないほうがいいでしょう。
Q お風呂に入っても良いですか?
A
一般的には控えた方が良いと言われていますが、じっとしている状態で痛みがないなら、入った方が早く改善します。
それはなぜかというと、一時的な効果ですが全身的な血流を良くしてくれるため、筋力のバランスも整うからです。
寝ているだけでも痛い場合は炎症も強いと考えられますので、炎症が酷くなって悪化する可能性を考えると控えた方がいいでしょう。
Q 湿布は貼ったほうがいいですか?
A
特に必要はありません。
ぎっくり腰の場合は内臓疲労の回復が大切ですが、シップで冷やすことはその奥にある臓器の回復を妨げる可能性もあります。
ちなみに温湿布は体感的には温かいですが、実際には患部を冷やすので冷湿布と作用はあまり変わりません。
単なるシップではなく、ロキソニンテープなどの痛みを止める作用の強いものは使ってみる価値があります。