外反母趾には「骨自体」の不調あり
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外反母趾の原因は何?
外反母趾の原因については、いろいろな考え方があります。- 歩行距離の減少(運動不足)
- 足部の筋力の低下
- 歩き方の間違い
- 足部の縦・横アーチの崩れ
- ハイヒールなどの靴による負担
1つずつ詳しくみていきましょう。
- 歩行距離の減少(運動不足)
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現代の日本人が長距離歩く機会はとても少なくなっているのは間違いのない事実です。
しかし、あまり歩かないということは、足に負担がかかっていないということでもあります。
それでも外反母趾の原因なのでしょうか?
そしてまた、一度外反母趾になってしまうと、歩くことで逆に悪化してしまうことが良くあります。
歩かないことが原因だとすると、つじつまが合わないようにも思われます。
- 足部の筋力の低下
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外反母趾になる人のほとんどは女性です。
当整骨院でも男性で外反母趾の辛さを訴える人はごく少数です。
男性の場合、多少の外反母趾でも痛くはならないことが多いようです。
性別で考えてみると外反母趾だけでなく、膝や股関節の症状も圧倒的に女性に多くみられますね。
骨の強度というのは筋力とも大きく関わっています。
そういった意味でも、筋力の低下は外反母趾の原因と言えそうです。
しかし、マラソンなどをしている人にも外反母趾の人は意外に少なくありません、
単純な筋力の問題だけでもなさそうです
- 歩き方の間違い
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うまく歩くというのは、結構難しいものですよね。
間違った歩き方の代表ともいえるのは、
「小指側で地面を蹴っている」
歩き方でしょう。
足の構造や骨の強度から考えて、地面を蹴るのは親指側になるように設計されているようです。
しかし、歩き方というのはなぜ間違ってしまうのでしょうか。
正しい歩き方の人でも、正しい歩き方を習ったことのある人はほとんどいないのではないでしょうか。
実は歩行には、全身の状態や特に背骨や骨盤の状態が大きく関わっています。
ですから加齢や体調の変化とともに、知らず知らずのうちに間違った歩き方になってしまっている人が多いのです。
間違った歩き方は、極端な例では小指側の中足骨(指の根元にある骨)が骨折することもあります。
つまり、足が耐えられないような負荷がかかってしまうということです。
骨に過剰な負荷がかかれば骨折以外にはどんなことが起こるのか、まったく知られていません。
この点を理解することは、外反母趾の解決に役立ちます。
ということで、歩き方の間違いは、外反母趾の原因になっているかもしれません。
ただ、歩き方を自然に正しいものにしようと思えば、背骨や骨盤を含めた全身的なケアが必要です。
外反母趾と歩き方については外反母趾研究所の動画は見てみると面白いです。
- 足部の縦・横アーチの崩れ
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外反母趾の発症の際、足部のアーチが維持できなくなっていることは確かです。
アーチが崩れることで指の手前までが扇状に横に広がり、指の部分が逆にすぼまってしまう形になります。
確かに原因と言えなくもないのですが、
「どうしてアーチが崩れるのか?」
という部分が、より大切なことだと考えられます。
- ハイヒールなどの靴による負担
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ハイヒールが足にとって負担が大きいことは間違いないでしょう。
ただ、ハイヒールをほとんど履かないのに外反母趾になっている人も少なくありません。
高校生くらいの若い人でも外反母趾になっていることがあるくらいです。
ですから、ハイヒールをはじめとした靴による負担は悪化要因ではあっても、原因とは言えないかもしれません。
靴については、足部の動きが制限されることで、足の機能が弱くなるという指摘もあります。
昔のように「藁のぞうり」なら外反母趾もなかったのでしょうか。
検証することができないのが残念です。
ここまで書いてきたように、何が原因なのかを特定することは難しそうです。
ただ、原因の最も根底には歩き方や足の使い方の間違いがあるかもしれません。
それでも、歩き方が悪いといきなり外反母趾になるわけではないことは、男性に外反母趾が少ないことから推測されます。
当整骨院では、外反母趾で痛くなってしまう重要な要因があると考えています。
外反母趾への対策のいろいろ
原因がはっきりとは分かっていない外反母趾ですが、そのために改善させるための施策や対策もいろいろなものがあります。
- マッサージによる筋肉や腱へのアプローチ
- テーピングによるアーチのサポート
- インソールによる矯正
- 足首の回内や開帳足対策の筋トレ
などです。
当整骨院では、対策の持続性や毎日の取り組みやすさから考えて、3、4の対策は症状軽減のために有効だと考えています。
筋トレに関してはネストラが参考になると思います。
インソールもなかなかあなどれない効果があるようです。ソルボはインソールの定番メーカーです。
当院では症状軽減ではなく完全な回復が目的のため、また違った視点から外反母趾へアプローチしています
外反母趾への画期的アプローチ
当整骨院ではオステオパシーアプローチ「メカニカル・リンク」の手法により、「骨の不調」自体をケアしていきます。
骨自体の問題とはなんでしょうか。
それは骨の弾力が低下して、「硬くなりすぎている」ことです。
もともと硬い骨がもっと硬くなることに何の問題があるのでしょうか。
骨が過剰に硬くなると、骨にかかった負担を「しなる」ことで逃がすことができなくなり、その結果関節にとても大きな負担がかかることになります。
すると、関節が不調をかかえるようになります。
関節がスムーズに動かなくなると、骨を引っ張って体を動かしている筋肉に大きな負担がかかるようになります。
筋肉が疲労するとうまく引っ張れなくなり、また負担の大きさから炎症をおこしやすくなります。
これが当整骨院の考える外反母趾の発症メカニズムです。
この考え方なら、なぜ男性に外反母趾が少ないのかも説明できます。
それは、骨の耐久力が男性の方が高いため、骨自体が不調になるケースが少ないと思われるからです。
また、マラソンランナーが筋力があるにもかかわらず外反母趾になりやすいのは、正しくない足の使い方の場合、歩くよりも走るほうが骨に過剰な負担がかかりやすいからと考えられます。
- 間違った使われ方で、衝撃や大きすぎる外力、筋肉の牽引力などが骨自体に不調を起こす
- 「骨のしなり」のなさから関節に過剰な負担がかかり、スムーズな関節運動ができなくなる
- 筋肉が骨を動かす際に関節が動きにくいので、筋肉に過剰な負担がかかる
実際に外反母趾になっている人の足部の骨を確認すると、かならず骨自体の問題がみつかります。
そして、いろいろな関節の動きが驚くほど硬くなり、制限されていることが分かります。
そんな状況を回復させていく際にもっとも最初にするべきケアが
「骨の柔軟性の回復」
なのです。
そのアプローチがなされなければ、関節や筋肉へのアプローチも本来の意味合いを発揮できず、一時的な効果しか得ることができません。
骨自体へのアプローチは、全身のどこの痛みや不調に対しても、もっとも優先されるべきケアなのです。
しかし、この事実は一般的な整体法では認知されておらず、今のところメカニカル・リンクを学んだ者だけが実践している施術です。
またこの手法は繊細な感覚が求められるので、骨の問題などを探し出せる施術者がなかなか増えていかない現状があるようです。