交通事故での損傷でよくみられる症状
まず、当整骨院の検査方法で解剖学的変化として感じることの多いものは、
「首の骨の1~2個が左右どちらかにずれている」という状態です。
ただそれだけで様々な症状が引き起こされますが、早期であれば少し特殊な手技で簡単に押し込むことができます。
この押し込みができないと改善されにくい症状としては
例えば
1.むち打ち
2.頭痛
3.吐き気
4.しびれ
5.腰痛
6.熱感
などがあげられます。
また、事故に遭った直後にはなんともなかったのに、あとから不調が 出てくるということも少なくありません。
かつて交通事故に遭って首を痛めたことがある、という利用者さんの体を確認させて頂くと、首(頚椎)がひどく湾曲している(曲がっている)ことがあります。
この湾曲は固まった状態になっているので、改善するにはかなり時間がかかります。
これは受傷後、あまり有効な治療を受けていないために起きてしまった事態だと考えられます。
なぜなら受傷直後から適切な治療を受けられていた利用者さんには、このような湾曲はでてこないのが普通だからです。
ですから、交通事故損傷の場合、早期からの有効な治療が求めらると考えられます。
むち打ち損傷に関しては、臨床的に4つに分類されます。
- 頚椎捻挫型
-
むちうち損傷のうち約80%がこれに含まれます。寝違えの症状に似ているとも 言われます。知覚異常・頭重感・頭痛・項部痛(首の痛み)・上肢疲労脱力感などが主な症状です。 約3週間で軽快するケースが多いとされています。
- 頚部交感神経症候群(バレ・リーウー型)
-
頚椎損傷の際、頚部交感神経および椎骨動脈が障害されて 起こるもの。後頭部・項部痛、めまい、耳鳴り、視力障害、顔面・首・腕の知覚異常、 夜間の腕のしびれなどが主な症状です。
- 神経根型
-
神経根(脊椎から神経が出てくるところ)が圧迫されたり、神経を 引き抜くような力が働いたことが原因で、 神経症状(しびれ・脱力・手足が重いなど)がでますが、くしゃみや咳、首の回旋、 首をそらすなどでこの症状が増悪します。筋力低下や深部反射の減弱、分節性知覚異常 など、検査で症状を確認することができるステージになります。
- 脊髄型
-
脊髄症状(運動麻痺、知覚障害、膀胱直腸障害など)が出現してしまうステージ。 頚椎上部の脊髄が傷害されると、横隔膜を動かすことができなくなり、死んでしまうこともあります。 頚椎を脱臼骨折した場合などにみられます。
この他にも低髄液圧症候群と呼ばれるものがありますが、まだ病態が解明されて いないようです。
脳脊髄液が減少することが原因で症状が出現し、頭痛、吐き気、めまい、倦怠、視力障害、 思考力や記憶力低下など、症状が多岐にわたります。
軽微な事故での受傷でも、なかなか症状が改善されない 症例には、この病態の可能性もあると考えられています。