どこに行っても治らないので・・・

少し難しい症状の人の治療がうまく行ったら、

新しい患者さんをご紹介いただけました。

お話を伺うと、どこに行っても背中の曲がりが

酷いので治せないと言われてしまう、とのこと。

症状の特徴をお聞きしていくと、

「あ~、あれだよな~」

と推測しました。

実際に施術してみると、

「なんでか楽になってるみたい」

と不思議に感じておられました。

何をしたのかというと、胃や膵臓が疲労や不調で

下垂して横隔膜をしたに引っ張っていたのを、

引っ張らないように上にあがるように元気づけた

のです。

横隔膜が下に引っ張られて起こる症状の特徴は、

じっとした後の動作で痛みがひどい、寝ていて痛い、

などの体液循環の悪化に伴うものです。

横隔膜が引っ張られると胸郭全体が緊張して、

呼吸が浅くなります。

その結果、呼吸に伴う胸郭の運動で得られていた

体液の循環が低下してしまうのです。

施術方法は単純で、胃を上げて、横隔膜や胸郭を

緩めるだけ。

ただ、胃が下がっていた人は、基本的に胃が

強くないのでしょう。

また下がってしまいます。

これまでは、鍼灸術の考え方に沿って、胃や膵臓に

エネルギーを集める施術をしていました。

確かにそれも効果はあります。

でもなかなか治り切りません。

それは、患者さんの弱いところは先天的に

決まっているので、鍼灸術のバランス調整の

効果が薄れてくれば、また元の状態にもどって

しまいやすいからです。

それよりも良い方法は、睡眠の質を上げるなどして、

患者さんの生命力を上げることです。

そして今後の目標は、その上がってきた生命力を

利用して、生まれてくる前から患者さんがもっている

歪みをとっていき、その人の弱点自体をなくしていく

ことです。

徐々に、理想的な施術へ近づいていきたいと思います。

 

 

季節の変わり目特有のバランス

およそ10日くらい前からですが、みなさんの

臓器のバランスが「季節の変わり目」のものに

なっています。

 

ここ2、3日は特にその傾向が強くでているように思われます。

 

季節の変わり目のことを「土用」といいますが、

土用は「木・火・土・金・水」という5行のなかで、

「土」の属性の臓器に負担をかける季節です。

「土」の臓器はすい臓・脾臓・胃です。

 

今の日本人はおおむね食べる機会が多く、飢えていることは

まずありませんので、普段からすい臓・胃を酷使している

傾向があります。

 

それに加えて今の時期のように季節的に負担がかかると、

もともと膵臓や胃の強くない人は、ヘロヘロになることも

珍しいことではありません。

 

そんな季節ですから、すい臓・胃などの疲労により引き起こされる

ぎっくり腰の方が多い状況になっています。

 

この時期に体調を落とさない対策としては、食事の量を減らすことが

考えられますが、症状軽減という意味で考えるとそれほど効果が

大きく得られないこともあるようです。

 

それよりも、元気アップの基本中の基本である、「早寝」

がおすすめです。

 

それと、胃腸の調子を上げてくれる「ウォーキング」でしょうか。

 

すい臓・胃のエネルギーは足を流れているので、ウォーキングすることで

その流れを活性化することができます。

 

よく歩いて早く寝る。そんな生活で春を迎えましょう。

お腹をマッサージすると痛いのは不健康

先日の東京のセミナーで、ポンピングなる手技を習って

きました。

 

見た目、手のひらで単純な圧迫を加えているようにしかみえませんが、

患者さんの活力をあげるために不可欠の、そして効果大の手法だとか。

 

とても高度な技術が要求されるようで、セミナーでの上級者でも

なかなか難しいのだそう。

 

でも、練習しないといつまでたってもできるようにはならない

ので、今の自分には無理とは思いつつ取り組んでいます。

 

あるとき、仰向けでお灸しているときに時間があるので、何気なく

お腹へのポンピングをしてみました。

 

すると!

 

ポンピングする前とは体の要求が変化していました。

いろいろと検証しているのですが、お腹をポンピングすると、

お腹の筋肉を緊張させている内臓問題が浮き彫りになる

ようです。

 

はり・きゅう的、というか東洋医学的検査では、おなかの状態を

みて、どこが不調なのか読み取るのはごく普通の方法です。

 

それは、おなかには全身の不調が反映されるからですが、逆に

お腹の状態がよくなれば体調が回復しやすいこともよく知られています。

 

ですから、いきなり検査してお灸するより、お腹にポンピングして

検査すると、お腹の状態をよくするために必要な施術が何かがわかることで

より施術の高い効果がえられると考えられます。

 

意外なところにヒントは転がっているのですね。

 

ところでこのポンピング、やってみるとかなり疲れます。

 

手の平からエネルギーがたくさん出てしまうのでしょうか。

高い効果にはやはり、それに見合った何かが必要なんでしょう。