少し難しい症状の人の治療がうまく行ったら、
新しい患者さんをご紹介いただけました。
お話を伺うと、どこに行っても背中の曲がりが
酷いので治せないと言われてしまう、とのこと。
症状の特徴をお聞きしていくと、
「あ~、あれだよな~」
と推測しました。
実際に施術してみると、
「なんでか楽になってるみたい」
と不思議に感じておられました。
何をしたのかというと、胃や膵臓が疲労や不調で
下垂して横隔膜をしたに引っ張っていたのを、
引っ張らないように上にあがるように元気づけた
のです。
横隔膜が下に引っ張られて起こる症状の特徴は、
じっとした後の動作で痛みがひどい、寝ていて痛い、
などの体液循環の悪化に伴うものです。
横隔膜が引っ張られると胸郭全体が緊張して、
呼吸が浅くなります。
その結果、呼吸に伴う胸郭の運動で得られていた
体液の循環が低下してしまうのです。
施術方法は単純で、胃を上げて、横隔膜や胸郭を
緩めるだけ。
ただ、胃が下がっていた人は、基本的に胃が
強くないのでしょう。
また下がってしまいます。
これまでは、鍼灸術の考え方に沿って、胃や膵臓に
エネルギーを集める施術をしていました。
確かにそれも効果はあります。
でもなかなか治り切りません。
それは、患者さんの弱いところは先天的に
決まっているので、鍼灸術のバランス調整の
効果が薄れてくれば、また元の状態にもどって
しまいやすいからです。
それよりも良い方法は、睡眠の質を上げるなどして、
患者さんの生命力を上げることです。
そして今後の目標は、その上がってきた生命力を
利用して、生まれてくる前から患者さんがもっている
歪みをとっていき、その人の弱点自体をなくしていく
ことです。
徐々に、理想的な施術へ近づいていきたいと思います。